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過大評価されていないか「ニッポン」

 

       
                                  「クールジャパン!、日本文化は凄いね」

この言葉には、少し違和感を覚えるのは私だけでしょうか?私だけなら大丈夫です(笑) *個人の見解です。

データと釣り合わない日本のソフトパワー

実際の日本のソフトパワーは、実際の経済的効果や観光消費などのデータに照らし合わせると釣り合わないように感じます。 *政治面はなし

「ハードパワー=軍事力」が重要であった戦前から戦時中の時代は終わり、現代では、「経済力や文化力、民力など=ソフトパワー」が国の力を決めるものとして長らく議論されています。イギリスでの「クールブリタニア」や日本の「クールジャパン」はその典型です。

毎年「ソフトパワーランキング」が発表されるのですが、日本という国はアジアの中でいっつもトップの座を守っています。確かに、独特の日本文化や急激な高度経済成長などは日本に対する好意的なイメージを増加させました。

一方で、観光客の数や観光客の消費単価などはアジア圏でも決して高くはなく観光資源も「文化」頼り、経済でも外資規制の影響や対内投資は行き詰っています。加えて、海外の日本語習得者も減少傾向にあります。

また、これら日本のイメージやソフトパワーは、日本が発信したというよりは、海外の日本文化研究者などが発見し、海外で広まったものばかりです。他力本願のイメージが今でも続いているのが現状ではないでしょうか。

メディアの操作

このように決して喜ばしい現状ではない中で、メディアも大々的に「素晴らしい日本や日本文化」を過剰に伝えすぎてはないでしょうか?

「おもてなし」文化も一種の観光客に対する強要ではないかと前回書かせて頂きましたが、観光業において「素晴らしい日本文化をそのままの形で伝える」ことに焦点が当てられすぎていると感じます。

観光はあくまで「観光」であり、日本文化の勉強では決してありません。お金を払い余暇を過ごしに来ているにもかかわらず、厳しい勉強会のような観光や宿泊サービスが行われており、リピーターの確保に苦しんでいる状況があります。

つまり、現状をしっかりと客観視して、「日本の文化=誰にでも好まれる素晴らしい文化」といった謎の自信みたいな考えは改めるべきだと考えます。

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